理事長の孫でありスタイルや顔立ちもよく成績も常にトップをキープ、 誰とでも明るく接する非の打ち所が無い有栖川絢音。
しかし教師に対しては理事長の孫という特権で強気に接する事からあまり良く思われていない。
気に食わない教師がいると徹底的に潰しにかかり辞職するまで嫌がらせをしていく。
また一人、教師がやめ新しく担任になった椎葉だがそのことがどうしても納得できずに、絢音に注意をしてしまう……
その日から絢音を含めた生徒だけではなく、校長や教頭など理事長の息がかかった教師からも「気に食わない教師」として扱われ始める。
それから３ヶ月、嫌がらせや授業をボイコットする生徒、そして教頭や学年主任からのお叱り。
精神的にも追いやられていた椎葉だったが、ただずっと我慢していたわけじゃなかった。
絢音をどうにかして黙らせてやる、絶対に仕返ししてやるとあらゆる方法を探し試し続け、 ついに『ケータイ握り念じると催眠術にかかる』ケータイアプリを完成させた。
翌日、絢音を見つけるとその効果を試すためにアプリを起動しケータイを握りしめ強く念じる。

――止まれっ！！

念じた通り絢音の動きがピタリと止まる。
「有栖川……ついて来なさい」
「はい……」
すると嫌っていた俺に服従するかのように素直にあとをついてくる、絢音の心を操ることに成功した。

復讐のために作られた催眠アプリ、どんな催眠もかかることから椎葉の歯止めは効かなくなっていく。